メイドインアビス51話感想「成れ果て村の過去とこれから」

えー、大変遅くなりました、メイドインアビス51話の感想です。
http://webcomicgamma.takeshobo.co.jp/manga/madeinabyss/_files/051/
更新から随分と間が空いてしまいましたが、それはシンデレラガール総選挙の開催期間だからだけではありません。
ところでアイドルマスターシンデレラガールズやスターライトステージで池袋晶葉ちゃんに投票してください。
8年目にして中間発表で初めてランクインしていい感じなんです。
この勢いをモノにしたいんです。

いやまあ、アイマスも理由の一つとしてはあるんですけどね、51話の重みすごすぎませんか???
ちょっと読んだ後まーじで凹んだというか、これまでの話のいろいろに厚みが出すぎちゃってなかなか咀嚼できなくって。
そんなわけで感想も全然まとまらなかったんですよね……という言い訳。
まあどうにか書きあがりましたんでようやくの投稿と相成りました。
あ、あと今回からWEBコミックガンマのサイトがリニューアルしてて、電子書籍リーダーの形式も変わってましたね。
そんで最後に感想ツイートよろしくページみたいなのがあったんですが……

まあ、黎明卿に罪はないんですが。
あ、いや、罪はあるとは思いますが、この件に関しては悪くない。
悪くないんだけど、なんかイラっとしました。
はい、ではいい加減に本編感想始めます。

ベラフの凋落

2019033000
開幕からベラフの悲惨な表情で幕を開けた今回。
ワズキャンが差し出し、ヴエコを救った食べ物は、イルミューイの子供を調理したものでした。
当初はあれだけ誇り高かったベラフがその精神を歪めてしまった最大の原因は、この食肉にあったようです。
2019033001
自らの生存と哲学を天秤にかけざるを得ない状況でとった行動が、ベラフ自身の理想とは乖離しちゃったものでしたという。
結局自分の命がかかったところでは、誇りも捨てて生存の道を選んでしまう。
そのことがベラフ自身、屈辱的で耐えられない。
でも正直なところ、今回のベラフの自己矛盾にもがく様子、めちゃくちゃ良くないですか?
これまでのメイドインアビスのキャラの中でも、ある意味一番人間臭い部分を出してくれたというか。
「もはや人間ではいられない」っていう発言自体がめちゃくちゃ人間臭いんですよ。
2019033002
ここまでこの作品に出てきた「憧れ」を語る皆さんって、もう自分の命とか尊厳とか正直どうでもいいというか、道具の一つくらいにしか考えてないじゃないですか。
身重でアビスに潜るやばい白笛とか、自らの肉体を白笛にしちゃうサイコとか、宝物のために自分を売っちゃう成れ果てとか、勝算もないのにアビスの底を本気で目指す小娘とか……
そう、リコさんも含めてやばい人ばっかり。
憧れに抗えずに自らの命すらも投げ捨てかねない。
つくし先生がよく「リコは頭おかしい」みたいなことを言及されてますけど、こういう最期の最期で生存本能に「抗えない」キャラを出されると納得がいく。
そんなことを考えると、ナナチとミーティをかけて交渉するベラフとリコさんのシーンは、めちゃくちゃ対照的にも見えてくるんですよね。
2019033015
果たしてベラフは自らがこの条件を出される側だった場合、この思考ができるだろうか?
ベラフだったら何を優先したのだろうか?
というか、この土壇場で「先に進む」ことと「ナナチを救うこと」のみを優先して思考できるリコさんがやはりどうかしているというか……
全然自分のことを大事にしていない。
そんでもって人間臭さが露呈したベラフは、最終的に人間らしさを全てイルミューイに捧げ、成れ果てたわけです。
このオチをみるとこれまでのベラフの
ナナチを奪った不気味な成れ果て ⇒ 有能な理想主義イケメン ⇒ 人間臭いやつ
っていう印象の変遷も納得がいく話ですね。
まあ納得はいくけど、改めてジェットコースターみたいな印象の変わり方でクラクラする……
そこまでの流れに矛盾がないってんだからまた恐ろしい。
というか三賢全員がもうキャラの深堀がヤバくて、この過去編だけでも頭おかしくなりそうなんですよ。
そんなわけで続いてワズキャンについてなんですが……

ワズキャンについて

過去編を一通り終えてのワズキャンの評価は、
「能力があるからなんとなくポストについちゃったので、きっちり実力を出し続けないといけなくなっちゃった人」
という、なんだかパリッとしないものに落ち着きました。
思ってたよりはこいつも人間臭い奴だった。
このブログでも常々語ってきましたけど、これまでの描写で彼が何を考えてるのかが全然見えてこなくて。
目的がよくわからない分、ある意味一番不気味だな……くらいにまで考えてたわけなんですよ。
でも実際は、結構頑張り屋さんだっただけなのでは?と、51話で思った次第です。
2019033004
まずはやはりこのシーンね。
なんと欲望の揺籃を自ら取り込んでいたという事実。
大人が使うと死に直結しかねないこの道具を使って平然としていたという。
本当に幼子ばりの純粋な欲を持っていたのか、あるいは精神力でもって己の欲をコントロールしていたのか。
2019033005
「やるだけやらないとだめなんだ」
後者なんでしょう。
なんだか軽そうに見えて実はすげー頑張ってた。
胡散臭いセリフを吐いてへらへらしながら、その実、誰よりも「人を超えることへの憧れ」は強く持っていた。
欲をコントロールするなんて芸当ができるくらい恐ろしく器用、と言ってしまえばそれまでかもしれませんが、どちらかといえば目的の達成のために突き詰めるべきは突き詰めるべし、ということをちゃーんと実践していた人だったという見方もできます。
この辺、理想主義な一方で最終的に生存本能に負けてしまったベラフとは対照的だし、それこそベラフ自身が「本物だ」と認めていたこと自体も象徴的。
イルミューイの子を生存本能に「抗えずに」食してしまったベラフとは違って、自らの目的に「抗えずに」率先して食した側の人がワズキャンですから。
とはいえ、さすがのワズキャンもまるっきり抵抗がなかったわけではないと思うんですよね。
ヴエコの糾弾に対して少なくない後ろめたさを見せてたりもしますし。
こういうところにも「あ、この人はまだ人間なんだな」ということも感じたり。
2019033007
それこそボンドルドのごとく「目的のために手段はいとわない」の究極系までいっちゃう人もいる中で、この人の場合はまだその辺りに感情がある。
理論と正論に精神が支配されておらず、どうにか頑張って共存させているというか。
この辺が乖離しちゃって逆にぐちゃぐちゃになっちゃったベラフとも改めて対照的。
理想を追い求めるために、実はものすっごく自分を律していた。
神がかりの予言者としての能力はあれど、意外と努力と根性の人であったようにも思えてきます。
だからこそ、感情があるからこそ、「まだあんなに怖がることができた」わけだし。
2019010712
そういえばこのシーンでワズキャンは何に怖がったのか?ってのも気になりますよね。
巨大な奈落の生き物の襲来自体におびえたのか、それとも村のピンチを救い、村人たちを味方につけつつある幼い二人組の出現に恐れをなしたのか。
まあこれも間違いなく後者でしょうね。
すでに成れ果て村を「我々の目指した故郷」としてゴールに据えたわけですから。
こんなヒロイックな連中が急に現れたら心中穏やかじゃない。
この二人の行動すべてを肯定的には考えられないというか、もしかしたら何かワズキャンにとってよくない未来が「視えている」のかもしれません。
だからこそ食堂でリコに接触したのでは?などとも邪推できそうだし……

「母」というキーワード

2019033009
ええいうるさいだまれ。
「イルぶる」
それはイルミューイが欲望の揺籃の力で成れ果てた姿そのものだったことが明かされました。
ここで改めて成れ果て村「イルぶる」の意味をおさらいしましょうか。
2019010705
『村』が5割
『揺りかご』が4割
『母』が1割
子供を作れない身体だったイルミューイが最初に欲望の揺籃に願ったのは、「母」になることだったと考えられます。
今となってはその名の意味に1割しか残っていないんですね。
最早事実としての「村」であることと、その体に残された3つの「揺りかご」がその9割を占めているというやるせなさ。
いやしかし、この作品において「母」ってキーワードはいろいろと意味が強い。
まずそもそも「母」どころか親のいないキャラクターの多いこと。
そもそも探窟家を目指す子供たちは孤児院の所属だし、マルルクもナナチも身寄りのない孤児、ヴエコだって孤児。
ちなみに夫婦であることが分かっているキャラ、という意味では貴重なハボルグとラフィーには、逆に子供がいません。
徹底的に「親子」という関係性が排除されている世界観なんですね。
だからこそ、親子の関係性を持つものは作品を通じてものすごく特別に扱われている気がします。
ライザとリコ、ボンドルドとプルシュカ、そして今回のイルミューイとファプタ。
残念ながらどれも単純に幸せな関係とは言い切れないのが何とも言えないところですけど……

しかしまあ今回のオチをよくよく考えたら、イルぶる自体が実は成れ果てそのものでもあった、というわけですよ。
「成れ果てが住む村」であり、同時にイルミューイという成れ果ての胎内という意味での「成れ果て」村でもあった、という。
なんやかんやで、願いの強さという意味では一番キマってる成れ果てなんじゃないですかね、イルミューイ。
あれだけたくさんの村人の生活・文化・社会を成り立たせつつ、その裏では濃縮した願いを込めて娘を産み落としとるわけですから。
この辺と比較してもベラフとかワズキャンなんて全然大したことないんじゃないかって気がしてくるというか……

ヴエコのこれから

2019033012
ただ あの子のことを 忘れたくないだけ…
びええぇぇぇ……(号泣)
以前からヴエコのことが好きで好きでたまらなくなる展開でしたけど、決定します、この子がヒロインです(決定しました)
いやもうさ、ファプタやイルミューイが救われるかって話はもちろんなんだけどさ、その2人の人生・感情まで背負っちゃってるヴエコは果たして?って話ですよ。
2019033011
咄嗟の例えだったとしても、ヴエコがファプタから見た自分のことを「お婆ちゃん」と表現してるのが本当にいたたまれない。
絶望的な生活から黄金郷に希望を求めた結果あらゆる光を奪われて、暗闇の中で失われた孫たちの魂(敢えて孫と書かせてくれ)に名前を付け続けるだけの生活だったわけで。
あまりに辛いものがある。
2019033013
今になってみればヴエコが幽閉されてたドグープ(目の奥)って、またすごいネーミング。
要は目の奥にある部位=頭の中ってことでしょ。
イルミューイの考え、想いそのものがある場所にいたってことでしょ。
そりゃ村人にとって抗いがたい苦痛になるのも当たり前だよ。
話を戻しますが、ヴエコがそんな状況でドグープに幽閉されてたと知ってからだと、リコさんがヴエコを開放するシーンの重みが変わってくるんですよね。
2019033014
ヴエコが何者なのかもよくわかってないのに、ここで即決できるリコさんやっぱすげえんだよな。
そもそもリコに開放を促すようなことをほのめかす時点で、ヴエコ自身このままでいいとは絶対に思ってなかったはずなんですよ。
「ただ あの子のことを 忘れたくないだけ…」なわけないんですよ!(荒い鼻息)
いや、この「忘れたくない」という一言には、きっともっともっと多くの意味が含まれているんでしょう。
だからこうして自分の願いを勝ち取るためにガンガン決断して先に進めるリコさんの存在やさっきの行動自体が、ヴエコからすればまぶしくてたまらないはずで。
ヴエコがレグを見て「黄金郷の本当の住人」と独り言ちた真意はまだわかりませんが、リコさん隊が現れたことでこの村に起こるであろう変化に、希望を持っていないはずがない。
それが救いなのか破壊的な悲劇になってしまうのかはまだわからないけど、ある意味では村に魂を囚われてしまったヴエコを開放するひとつのきっかけにはなると思うんですよね。
そして我らがリコ隊長ならそれをやってくれるはずなんですよ。
私は今この文章を書きながら泣いています。
ああもう。

さて、この後はどうなる

成れ果て村がどのようにできたのか、そしてファプタ出生の経緯が明らかになった、それはそれは濃ゆーい過去編もここで一段落。
まさかここまでドープな過去編になるとは思いもしなかった。
これ単体で物語が強すぎません?
そしてファプタに託されたものが明らかになった今、レグとの関係性の謎がむしろ強まった気もします。
結局レグってなんなのさ??
まだまだ続きが気になるトピックが盛りだくさんだよ!!
ナナチはいつまで囚われてるんだ!!!
そんなこんなでこれからの展開が非常に楽しみになる過去編でした。
ではでは、次の話の更新を、5月30日の8巻の発売と合わせて楽しみに待ち続けましょう。
メイドインアビス 8 (バンブーコミックス WINPLUS SELECTION)
つくしあきひと
竹書房 (2019-05-30)
売り上げランキング: 1,143
メイドインアビス(1) (バンブーコミックス)
竹書房 (2014-06-19)
売り上げランキング: 1,691
メイドインアビス(2) (バンブーコミックス)
竹書房 (2014-06-30)
売り上げランキング: 1,844
メイドインアビス(3) (バンブーコミックス)
竹書房 (2015-06-20)
売り上げランキング: 1,788
メイドインアビス(4) (バンブーコミックス)
竹書房 (2016-04-30)
売り上げランキング: 1,621
メイドインアビス(5) (バンブーコミックス)
竹書房 (2016-12-22)
売り上げランキング: 1,544
メイドインアビス(6) (バンブーコミックス)
竹書房 (2017-07-29)
売り上げランキング: 1,434
メイドインアビス(7) (バンブーコミックス)
竹書房 (2018-07-27)
売り上げランキング: 1,013

メイドインアビス51話感想「成れ果て村の過去とこれから」” への4件のフィードバック

  1. 身体が人間とはかけ離れたものになっても、言葉を失っていても、ヴエコを優しく抱きしめるイルミューイが切なくて愛おしかった

    いいね

  2. イルミューイについては仔を差し出し喰わせることからシュブ=ニグラスを思わせます
    いわゆる「千の仔を孕む森の黒山羊」という二つ名を持つ邪神でかつエロいお千夜お姉ちゃん(姉なるもの。)
    つくし卿もクトゥルフ方面にドップリですね

    いいね

  3. つくし卿の何がすごいって
    まだ白笛2人出してないことなんだよね…
    ボ卿だとかイルミューイとか以上の
    緊張感出さないと影薄くなっちゃうけど
    かといってやりすぎると今ままでのキャラの
    影薄くなっちゃうし、、
    とにかくこれからのつくし卿に期待です!

    いいね

  4. ほんと、ファプタが何やらかすのかが心配でならない。軽くリコさんぼこぼこにしたりだとか……ありそうで怖いんだよなぁ
    で、レグがキレてややこしくなるんだよ……
    楽しみでたまりません!

    いいね

匿名 にコメントする コメントをキャンセル

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中