「メイドインアビス」と「アリスと蔵六」の話

メイドインアビスがアニメ化!!!!

2016年は個人的にもいいことがたくさんあって、とても良い年だったなあと振り返り始めた矢先にこのニュースですよ。
しかしまあ、とにかくこのマンガが面白いのだと周りに布教し続けてきましたが、いよいよ来てしまいましたね。
気持ちとしてはうれしいのと同時に果たしてこの作品を地上波で放映しても大丈夫なのか?!という不安がものすごい。
アニメ公式ページのコメントを見る限り、絵コンテ時点でつくし卿ご自身のお墨付きですからもう期待と不安が入り混じった思いですよ。
もちろんいい意味での不安ね!

監督は「描かれている事はやるよ」と仰ってくれました。
険しきを冒すとはこのことかと驚きましたが、
本当に凄い質の絵コンテが上がってきています。

さて、アニメ化の発表とほぼ時を同じくして単行本最新刊であるところの5巻が発売されました。
メイドインアビス 5 (バンブーコミックス)
つくしあきひと
竹書房 (2016-12-26)
売り上げランキング: 104
今回の表紙の味わい深さときたら・・・ちょっと言葉になりません。
この光の淡さ加減、きっとプルシュカの中での「夜明け」のイメージなんだろうなぁーとか妄想してみる。
だって裏表紙には・・・
そんなわけでメイドインアビス5巻の内容についてはすでにさんざっぱら語ったので、今回の記事はタイトル通り別のマンガ「アリスと蔵六」という作品についてです。
アリスと蔵六 1 (リュウコミックス)
今井哲也
徳間書店 (2013-03-30)
売り上げランキング: 77,314

「アリスと蔵六」は子供が大人になっていくまでを描くマンガ

アリスと蔵六今井哲也による月刊COMICリュウで連載中のSFマンガです。
とりあえず例によってまずはあらすじをば。

「研究所」から脱走して、初めて「外の世界」を知った少女・紗名。
彼女は【アリスの夢】と呼ばれる超能力の持ち主。
しかし幼くて未熟なため、能力を使いこなすことができていない。
途方に暮れていた彼女が出会ったのは【花屋のじいさん】蔵六。
超能力も何も関係なく「悪いことは悪い」と説教してくる蔵六との出会いが紗名の運命を、そしてこの世界の運命をも大きく変えていくことになる。
第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門“新人賞”受賞作品!!!

実はこのマンガは構造的にかなり面白くて、1巻の時点ですでに物語のいく先がそれとなく明示されているんです。
いや、もちろんこれがミスリードである可能性も否定できませんが、このゴールに向かっていく話なんだなというのがなんとなく示唆された中で、そこに至るまでの子供たちとそれを見守る大人たちのストーリーが描かれています。
そういう意味では、逆に向かう先が見えているからこそ、このストーリーがどうやってそこにつながっていくのか、を常に意識せざるを得ない形になっていて読みごたえがあります。
このマンガの最大の魅力は、(見た目だけでなく)どこまでも子供として描かれる子供と、圧倒的理不尽を突き付けてくる世界、そしてそこから守ってくれる大人のかっこよさ。
もうね、紗名ちゃんは紗名ちゃんですっごい可愛いんだけど、それ以上に大人たちがひたっすらにかっこいいの。
よっし、とりあえず未読の人は興味持った?
興味を持ったらまず読もう??
・・・はい、読んだね?!
ってわけで読んだ前提で最新刊の7巻の話だ!!
アリスと蔵六 7 (リュウコミックス)
今井哲也
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家族、友達、そして

このマンガは、「赤の女王」「樫村紗名」になるまで、そして大人になっていくまでを描くマンガだと思っています。
ここでいう大人になるということは、知らなかった世界を知る、すなわち自分の外側に世界を広げていくこと。
これまでのアリスと蔵六は、まさにそういう物語でした。
1巻~2巻は紗名が樫村家の「家族」になるまで。
3巻~5巻は二人の「親友」を手に入れるまで。
自分の外側に自分の味方になってくれる人間を増やしてきたのが、これまでの物語。
そして6巻からは、紗名と同じようにワンダーランドから生まれながら、全く異なる感性を持った存在「赤の王」があらわれます。
紗名とそっくりな見た目をしていながら人間的な感性を持たず、ワンダーランドそのままの、人間に対する興味だけを持ち合わせてしまった存在。
雛霧姉妹や蔵六と出会わなかった紗名は、もしかしたらこうなってしまっていたんでしょうか?
なんにせよ赤の王と出会って「弟みたい!」とよろこんだ紗名とはまったく話が通じず、なんと逆に殺される事態にまで至ってしまいます。
つまり、赤の王は味方ではない存在です。
こうした存在に出会ったときに味方になってくれる人は、一般的に家族、親友、そしてもう一つ。
7巻は「先生」のお話でした。

「先生」としての一条さん

一条さんはこのマンガの中でもかなり早い段階から登場しており、「666の兵器と13の魔法所が使える魔法少女」という紗名に次いで反則級のアリスの夢を持った人物ですが、このマンガで持っている役割の一つが紗名の先生だと考えています。
実際には7巻第一話のサブタイトルは「一条さんの友達」だったのですが、これはべつに紗名ちゃんが一条さんにとっての友達だったという話ではないと思っています。
「子供」が「大人」になるまでに出会う存在は、まず家族がいて、友人がいて。
その次に出会う外側の存在といえば「先生」だと思うんですね。
もちろん紗名ちゃんは学校に通い始めましたし、本当の意味での先生は7巻ででてきましたけど。
一条さんって序盤からずっと、家族ほどの近さではないにしても、常に紗名ちゃんのピンチに駆けつけてくれる味方であり、行き先を導いてくれる存在であり、子供にとっての先生に限りなく近い存在だったんじゃないかなーと思います。
わかりやすく一条さんが「先生」をしていたところでいくと、紗名ちゃんが学校に行くまでの間、つまり「ハズレ」がでて鏡の門が安定しなかったころ、勉強を教えてくれていました。
小学校の教員免許も持ってましたしね。
DSC_0045
そして羽鳥と歩と出会い、「ハズレ」がでなくなり。
学校に行き始める直前の週に、紗名ちゃんは今までのお礼として一条さんにプレゼントをします。
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一条さん側からしたら「先生」という立場に自分がいるとは当然考えてはいないと思うのですが、アリスの夢のせいもあって友達の少なかった一条さんが、他人からの純粋な好意に素直に感動できた瞬間、としての描かれ方だったんじゃないかと思います。
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教え子である紗名ちゃんが、思ってもいなかったプレゼントをくれるっていうのは、もう先生冥利に尽きるイベントだと思うんですよ。
そもそも教員免許取るくらいには、先生へのあこがれがあったってことですし。
小学校の教員免許は中学や高校と比べて教えなきゃいけない科目数が多い分、取得するのも大変ですからね。
結果的に一条さんの力だけでは赤の王には力及ばなかったわけですけど、きっと赤の王にも同じように触れ合える可能性を感じたんだろうなあと。
だからこそ、紗名と本質的には同じ存在である赤の王とも対話しようとし続けたわけですからね。
とにもかくにも、一条さん、めっちゃかっこよかったよ。

で、なんでメイドインアビスからのアリスと蔵六?

自分が今井先生のマンガに触れたのはぼくらのよあけという同じくSFマンガが最初で、これがえらい傑作だったのです。
amazonだと紙の方は中古しかなかったけどもう絶版なのかな?
ぼくらのよあけ(1) (アフタヌーンコミックス)
講談社 (2013-08-09)
売り上げランキング: 15,853
で、このマンガを読んでしばらくしたのち、つくし先生のツイートで「アリスと蔵六が面白い!」というのを見まして。
ほほうどれどれと読み始めたところ「ぼくらのよあけ」の人だった!となったんですが。
最近このお二人のお互いへのリスペクトがもの凄かったことが分かりまして。
きっかけは先述のメイドインアビス5巻発売にあたって、COMIC ZINオリジナル特典に今井先生がイラストを提供したこと。
一読者としては「おぉー好きな作家さんが好きな作家さんにイラスト提供しとる!」と個人的に盛り上がっていたのですが、実は当のお二人も相当な盛り上がりだったらしく。

これはエモい・・・!
自分のような両方のマンガのファンからするとエモさがすごかったと同時に、
このお二人が同時代にいてくれたおかげでこんないいマンガが読めているのか!という気持ちになったのでした。
まさに歴史的な瞬間を感じたよね。
そうそう、アリスと蔵六もアニメ化が発表されてるんですよ。

公式サイトがこちら → http://www.alicetozouroku.com/
あぁ、うれしいなあ。
アニメになることよりも、アニメ化されることで大好きなマンガが世に知れ渡っていくのを見届ける瞬間が一番好きです。

そんなこんなで今年も大変良い年でした。
来年も当ブログをよろしくお願いいたします!!
2016年マンガのまとめ記事は鋭意執筆中ですのでもうしばらくお待ちください・・・

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