感情が動かされるということ「この世界の片隅に」感想その2

まさか二つ目の感想を書くことになるとは。
というか気づいたらパソコンの電源入れていました。
先日観終わった直後は、もう感情が荒ぶる一方で全くコントロールできなくなってたんですが。
ちょっとずつ冷静になってきて(まだ完全にはなれていない)、もう少しまともな感想と分析ができるかなと。
そうそう、原作マンガを読みました。
そしてやっぱり泣いてました。
この世界の片隅に : 上 (アクションコミックス)
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でも、読んでみて改めて、何がそんなに泣けるのか、いまいちよくわからなくて。
また例によって書きながら整理してみようと思います。
そんなわけで前回の記事の補足的な感想です。

「日常系コメディ」

そういえばこの作品、戦時中の話がメインなのでもしかしたら誤解される人もいるかもしれないので先に言っておきます。
決して戦争のつらい話とかではなくてですね。
日常系コメディなんです。
すずさんを中心とした家族の日常を、かわいらしい絵柄で描く日常系(萌え)マンガです。
正直言って上映中は涙をすする回数以上に、笑い声のほうがよく聞こえてきたように思います。
(そりゃまあ終盤はグッズグズでしたが)
ただ、そうした笑いの中への、数々の人生のドラマのさしはさみ方が絶妙で。
日常と、非日常のエピソードとをつなぐグラデーションがとてもとてもきれいだったんですね。
しかも、色とりどりのグラデーションで。
ああ、そうか。
そういうことか。
うん。なんとなく腑に落ちた気がします。
つまり、マンガやアニメで感じるようないろいろな感情があるじゃないですか。
ギャグにクスリと笑ったり。
ちょっとした日常に親近感を覚えてしんみりしたり。
非日常の冒険にハラハラしたり。
強大な力と戦う姿に心震えたり。
恋愛にキュンキュンしたり。
悲しい別れに涙したり。
「この世界の片隅に」には、これらすべてがあったんです。
それも決して性急なテンポにならず、むしろ心地いいくらいの絶妙なリズム感で跳ね回るんです。
だから、ただの感動じゃあない。
本当の本当に感情をあっちこっちに動かされまくったんです。
映画のたった2時間の中での、あまりにも濃密な体験。
これだけの感情をいっぺんに描いたら、それはもう人生を描いているようなもんですよ。
実際に観た人の多くが「(主人公の)すずさんがまるで本当にそこに生きていたようだった」と言います。
正真正銘、本物の日常系ですわ。
こんなの言葉にできるわけないじゃないですか。
だから観終わったときには、ただもう「すごかった」としか言いようがなかったんです。

要はとにかくものすごいってことだ

しかもそんなものすごいお話を描くために用意されたものがすべて一級品でさ。
声優陣の熱演があり(特に主演「のん」の演技は神がかっている)
コトリンゴによる繊細で心に響く素晴らしい劇伴があり。
長い時間をかけて集められた膨大な資料に基づく美しい背景美術があり。
軍艦や戦闘機のミリオタ全開の精緻な描写があり。
映像演出としての実験的、挑戦的な試みがあり。
そして圧倒的なコマ数による妥協のないアニメーションがあり。
あふれんばかりの製作者の熱量が、でも、つつましく見え隠れしていて。
もうなんというか、今年一番のアニメ映画とか、そういう次元で語っていい枠を超えています。
ここまでの映像作品には、生きている間にあとどれだけ出会えるんだろう。
そこまで思うくらいの衝撃です。
リアルタイムで体験できたことを誇りに思います。
あぁ、早く、二回目を見に行くのが待ち遠しい。
平日に仕事している場合じゃない。マジで。

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