「この世界の片隅に」劇場版は文句のつけようがない大傑作


間違いなく大傑作。
こうの史代先生原作のマンガ「この世界の片隅に」の劇場版が公開され、ガルパンでおなじみの立川シネマシティで観てきました。
実はこの作品、今年一番楽しみにしていた映画なんです。
クラウドファウンディングでものすごい金額を集めたことが話題となったりとか、シネマシティが異例の大プッシュをしていたりとか、色々と理由はあるんですが、一番大きいのは監督と音楽。
「マイマイ新子と千年の魔法」という映画がありまして。
マイマイ新子と千年の魔法 [DVD]
エイベックス・ピクチャーズ (2010-07-23)
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これもとってもとっても大好きな映画なんですが、「この世界」の監督がこの作品の片渕須直監督であるということ、そして劇版が同じくマイマイ新子で主題歌を歌ったコトリンゴと知って。
そしてその上でこの予告編を見て、これはもう間違いがないと。

ちなみにこのブログのタイトルもKIRINJIのコトリンゴ姉さんの曲から拝借してます。

日常を描くということ

さて、前置きが長くなりました。
率直に感想だけ言うと、もう兎に角よかったとしか言いようがないです。それくらいにこの感動を表す言葉が出てこなかった。
上映後は自然と拍手が起こってました。
見終わってしばらくたってもまだ気持ちが落ち着かない位の衝撃は、恐らくこの作品が初めてかもしれません。
この作品の舞台は戦時中の広島。
つまり、そういう作品です。
でも、決して戦争の悲惨さを劇的に描いたものではありません。
なんならとても地味な、普通の人たちが大変な中でも生き生きと、明るく生活しているさまが描かれているんです。
そしてその生活の描かれ方が、あまりにも、あまりにも丁寧で。
これでもかというくらいに作り込まれた背景描写と演出で、徹底的にリアリティと説得力を持たせています。
だから観る人は、まるで前から知っていたかのように、あたかもそこに主人公のすずさんたちが暮らしていたかのように、あの時代の日常を感じ取ることができるんです。
そして、その日常を切り裂く「戦争」もまた、非常に、非情なリアルを持っていて。
ときに現れる戦闘機や軍艦は、デフォルメされた柔らかいキャラクターたちとの差別化を図るために徹底的にリアルに描かれます。
この辺のリアリティの追及に関しては、こちらの片渕監督へのインタビューでも語られています。

日常と、非日常の対比。
あくまで主題は、戦争を戦い抜いた兵隊たちではなく、呉という軍港も持つ街に生きる普通の人間たちから見た、戦争です。
彼らがどう日常を生き抜き、どう非日常と戦っていったのか。
そして戦争を終えたあとの日常をどう作っていったのか。
そういうドラマが、この作品では描かれています。
だからこそ、普通であることを奪われ、普通を取り戻そうと懸命に生きるすずさんたちに心を揺さぶられるのだと思います。
繰り返しますが、決して戦争の悲惨さではなく、あの時代を生きる人たちのその生きざまにこそ、涙を誘われる。
そしてそこに添えられる音楽も、決して華美でなく、それでも心の琴線に触れるような丁寧な曲となっていて、コトリンゴ姉さんの確かな仕事ぶりがさすがでした。
素晴らしい。
観終わった後は光の速さでサントラ買いました。

原作について

前述したように、この作品はこうの史代先生のマンガが原作です。
この世界の片隅に : 上 (アクションコミックス)
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実は楽しみにしていたといいながら、原作は未読で・・・
なぜかというと、悲惨さを描くようないわゆる戦争マンガというのが若干苦手で。
こうの先生のもう一つの大傑作「夕凪の街 桜の国」は読んでいたんですが、「この世界」にはなかなか手を出せずにいて。
夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)
双葉社 (2012-09-07)
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でも映画を見終わった後、ものすごい勢いで本屋に向かって全巻まとめ買いしました。
これはそういう作品ではないと。むしろ読んでおくべき傑作であると。
ちなみにこの記事を書いている時点ではまだ読んでいません。
まずはこの荒ぶる感情を整理すべく記事にせねばとなっているところなので、マンガを読んだうえでもう一度映画を見に行く所存です。
そういえば同じように戦後の生活を描いたマンガとして、あれよ星屑というマンガがあります。
あれよ星屑 1巻 (ビームコミックス)
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こちらは戦後、元軍人たちが敗戦国となった日本を生き抜くヒューマンドラマです。
この作品もまた、非常に丁寧に生活と人生を描いた傑作なので、未読の方は是非読んでいただきたい。
あぁ、それにしても。
観てからしばらくたってもまだなお、思い出し泣きしそうになるくらい、見事に感情を揺さぶられました。
「この世界の片隅に」
本当に、本当に大傑作だと思うので、ぜひ多くの人に見てほしいと思います。
これを観ないと今年のアニメ映画は語れない。

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